庭の改良


拙宅の庭は永い間まったくと言っていいほど手を入れなかった。ただ毎年の庭木の剪定―此れは毎年やらないと散髪を欠かした頭のようになり見苦しい。竹垣ももうかなり以前に組んで頂いたままでがたが来ている。それで最近造園屋さんにこのブログにも記したように京都でも大きなスミイ造園に組んで頂いた。

垣根が新しくなると庭そのものの荒廃が気になる。竹垣がりっぱになるとそれに応じたそれなりの庭園が欲しくなる。京都は徳川時代初期の小堀遠州竜安寺の石庭,南禅寺塔頭枯山水など多くのお寺の枯山水の庭を手がけている。そのように京都では奈良と異なり仏像より寺の庭に力が注がれている.詩仙堂,満珠院、円通寺枯山水の庭園も素晴らしい。このような環境の下での造園業を営む住井さんに庭園造りをお任せした。

竹垣の緑を建仁寺の垣根に沿って杉苔をなだらかな勾配に配し杉苔の下に白川砂をいちめんにしきつめてある。建仁寺の垣根と杉苔、白川砂の三色が美しい配色を醸し出している。庭の中央から東寄りに盃月形の水鉢を配し水をわすかに溜める。水鉢を支えるに小松島鉱石が設置されたこの庭は山がちかいので小鳥が水をつばいに来るようである。

この盃月形の水鉢がこの庭のアクセントにもなっている。造園屋さんは体力とセンスが勝負である。私たち長くもない人生を此れまでの華やかな牡丹に変わって静かな庭を心の糧にしたいものだ。