裁判員裁判の死刑求刑はNO


昨年8月東京都港区で耳かき店員の女性(江尻美保さん21才)とその祖母鈴木芳江さん78才)を殺害したとして、殺人罪に問われていた林貢二被告(42)の裁判員裁判東京地裁無期懲役を求刑した。この裁判では当初裁判員たちは貢二被告に死刑を求刑していた。その理由として家族の心情を汲めば、被告に極刑つまり二人も殺人を犯しているので死刑が適当ではなかろうかと言う結論だった。

この何の罪もない若い娘と祖母を殺めた行為は家族のことを考えればそのような刑罰を選択したくなるのは私だって痛いほどよく分かる」る。しかし林貢二は江尻さんに恋愛感情がありそれが旨く行かなかったこと計画性がなかったこと、犯行後深く悔悛していることなどで裁判官は無期懲役の判決したものと思われる。

一般的に今日までの判例をみると死刑は3名以上の殺人に適用され、2名でも内容が余りにも無残、残酷である場合死刑が求刑さてれる。だが私は死刑は如何なる犯罪であろうとこれを適用することには反対だ。死刑は人を殺めたことに対する言わば見せし、報復的な刑罰である。

勿論「人により」犯人の命を絶つのである。私は人が人を殺すことに大きな抵抗感がある。先進国、良心的国家150以上で死刑を廃止している。先進国で依然として死刑の制度を残しているのは日本と、米国のある州そして中国のみだ。日本も裁判員制度が発足すれば死刑制度が廃止の方向に向かうのではないかと期待していたが今回の死刑の求刑は極めて残念だ。

柴田勝家