年末にあったって

2007年11月号「世界」で在日レバノン留学生シリーン・エル・ジュルディさんが「戦争を放棄することの意味−9条の世界的意味を探る」を熱っぽい筆致は日本の読者の胸を打ちます。それで私はこの文章に深く心を打たれその部分を抜粋させて頂きます。

アラブとイスラエルの紛争では50年間も続いている。この紛争で戦場となったのがレバノンである.この戦争によってレバノンの人々が受けた衝撃は凄ましいものがあった。人々の生活は人間らしいものではなく女性の場合の早産、障害を持って生まれた新生児など酷い状態だった。白憐兵器、劣化ウラン弾,精密爆弾,真空爆弾等々が使われ、レバノン人たちが何年もかけて復興してきたものが破壊された。レバノンの人々が虐殺され、地域がばらばらにされ、大気は爆弾で汚染され海の環境も破壊された。日本では私と同じ世代は平和に生き戦争が何かも知らない。

戦争放棄」を選んだことはいかに素晴らしいことであるかその意義を十分に理解して欲しい。私のような紛争地のものにとって惨めな結果をもたらす戦争を廃絶する事の有用性について述べて来た。日本の憲法第九条を選び取ることは、戦争を放棄するための主要な枠組みなのである。日本の憲法第9条には、無形の世界遺産としてノーベル平和賞が与えられるべきだ。日本の14のユネスコ登録世界遺産に加えるべきである。9条を世界遺産にすると同時に日本は紛争地の人々を助け続けることができるだろう。日本は世界有数の経済大国であるのはなぜか。其れはどのように発展してきたかを考えて欲しい。

このような論調があるかと思えは朝日新聞11月29日付けの朝刊で宮崎県の東国原英夫知事は28日、宮崎市であった若手建設業者らとの懇談会で「徴兵制があってしかるべきだ。若者は1年か2年くらい自衛隊などに入らなくてはいけないと思っている」と述べている。中略 終了後、知事は「軍隊とは言わないが、ある時期、規律を重んじる機関で教育することは重要だ」と語った。自衛隊イラクに送られ憲法を踏みにじった行為をどのように解釈しているのか。シリーン・エル・ジュルディさんの文章を東国原英夫さん一度読まれてはどうですか。私の一年を締めくくる文章になりました。来年もまたよろしく。下手な文章ですが一生懸命に書きます。それでは良いお年をお迎えください。