伊調姉妹

少し薄暗くなってきた。網戸越しに蜩の声が聞こえる。TVでは女子63キロ級レスリングの決勝が行われようとしている。日本の伊調 馨とロシアの強敵カルタショワの一線である。

今日の伊調は何時ものように体が軽やかな感じがしない.なんとなくずしんと重そうである。恐らくアテネで獲得した[金]を死守ることの緊張と準決勝戦での疲れが彼女の体調をTVカメラが正直に写しだしのだろう。

しかし彼女は渾身の力を振り絞り相手を押し倒して[金色]を保持した。姉はこの試合の前日に「銀」を獲得している。馨は精神力でカルタショワを寄せ付けずアテネに続いての連覇は立派であると言う以外の言葉は見当たらない。姉の千春が昨日第一線から退く明言した。それで馨も同調する事になった。

レスリングは男性でも大変なスポーツである。体力の消耗度もどんなスポーツより激しい。お二人ともメダルを獲得されるまでよくここまで活躍されてきたと頭の下がる思いだ。今後お二人はあらゆる規律や重圧から開放されて思いっきり人生を楽しんでください。これからの長い生活にはきっと数多くのいいことが待ち受けていてくれていることでしょう。
お二人のこれよりの人生を心より祝福いたします。頑張ってください。