今年の夏

今年の夏は8月の中旬になってもツクツクぼうしの蝉の鳴き声を聞かない。例年ならば早いものは8月の5日前後に初鳴きを聞くのだが。あのツクツクぼうしの鳴き声は嫌いだ。なんとなれば夏の終わりを感じるからである。

動物、昆虫には人間にない勘を所有しているのでこの夏の気象条件の異常さに何かを感じているのだろう。今年の夏の変調はカミユの異邦人の書き出しのところで主人公のムルソーがあの夏の太陽の暑さで人を射殺する場面がある。この夏はあのような激しい太陽の日照りは殆どなく曇天、雨が多く夏の持つ女性をより美しく魅力的にする気象に接することが出来なかったのは残念であった。

同時に夏は自然現象も美しく彩り更に人に躍動感を与え若者には楽しい恋の季節でもある。それ以外でも子供の頃は長い休みがありトンボ釣り(トンボ釣り 今日は何処まで いったやら、加賀の千代尼)、蝉取り全てが子供から、大人まで楽しい季節であった。今年はダメな夏だった。気象条件の変調と温暖化の結果だろう。地球は我々の時代で幕にしては将来のある子供がかわいそうだ。