鈴木氏、根岸のノーベル賞受賞



日本人の二人、鈴木氏、根岸氏が共にノーベル化学賞を受賞されたことは本当に喜ばしいことである。最近尖閣諸島問題、大阪地検の不祥事など暗い社会状況のもと、この快挙は我々に限りなく晴れ晴れとした感情を与えてくれる。このお二人の研究成果は医薬品から工業製品に応用され、特に今をときめく液晶テレビ、自動車など使われ私たちの身近なもので、その研究には大層近親感をもつ。

この素晴らしいノーベル賞の受賞は戦後京都大学湯川博士が物理学賞を受賞して以来、理科系だけの受賞者は15人目である。またこの10年で受賞者は9人である。これは過去数十年前の理科系分野のへの高校徒、大学生達の勉強、学問、研究の結果が現在実を結んでいるのである。

このところ一時のゆとり教育で理科系学問の低下、更には生徒、学生の理科系学問への忌避は将来の日本の理科系学問の危機である。ところで現在パラジュウムをつかった有機合成は、日本の「お家芸」と言われるほど底が深く人材も多彩な化学の分野である。

このように日本は資源のないペイパーと鉛筆の国である。それで過去は学門に力を注いだ結果現在の世界的な工業国家が生まれたのである。ノーベル賞のこのところの多数の受賞が小、中、高学生のよい刺激となり理科系学門へのアプローチとなることを祈る。