ミタル・アルセロールスチールと新日鉄

oshjdori

最近世界鉄鋼業界ではミタル・アルセロールの活躍が華々しい。ミタルはインドで急成長した鉄鋼会社である。最近では世界第2の鉄鋼会社ルクセンブルクのセルセロールと合併して世界最大の鉄鋼メーカーとなった。
ブラジル、アメリカ、フランス、スペインつまり欧米の鉄鋼メーカーの大半を傘下に収め従業員約17,9000人、生産量約1000万トン「新日鉄の約3倍以上)売上高約719億ドルといわれている。
現在アジアでは買収した鉄鋼会社は見当たらないが中国の鉄鋼最大手の宝鋼集団との合併を企図している。
また韓国製鉄会社ポスコにも食指を動かしている。わが国ではミタル・セルセロールと新日鉄が鉄鋼製品の技術提携をおこなっている。ミタルの製品は建材用などの低価格の製品が主力となっている。
新日鉄の三倍の資本を有するミタル・アルセロールが特殊技術を持つ新日鉄に敵対買収を行おうと企んでいた。
しかしミタル・アルセロールは現在限られ工場のみに新日鉄の特殊技術の供与を受けている。この技術をミタルが傘下におさめている世界の全ての工場で利用したいと新日鉄に要求した。
しかし新日鉄の答えは「それはノー」とはっきり否定した。日本では5月1に
三角合併が解禁された。それでミタルは敵対的買収をちらつかせた訳である。もしそのような行為に出るなら新日鉄は先ほど述べたようにミタルに提供している技術を全て引き上げると述べた。それでミタルは自己の要求引っ込めざるを得なくなった。日本の鉄鋼業の技術力の勝利と言えよう。