薬害肝炎訴訟

薬害肝炎訴訟で大阪高裁は患者、国の双方の修正案を検討した上で第二次の和解案を来週にも出す方針を明らかにしている。原告側が全員一律に救済するあり方を拒否する国の修正案に沿った協議であるならもう打ち切りたい。申し入れを行った際に明らかにし、そして被告にも伝えている。

高裁案は血液製剤の投与時期や提訴しているかどうかで被害者を「線引き」した国の意向に沿ってつくられている。国の責任を認めた4地裁の判決のうち一番狭く期間を限定した東京地裁判決を妥当とする考えに政府が固執するなら、進展は望めないのではなかろうか。汚染された血液製剤を投与されたC型肝炎の患者サイドに全く落ち度はない。

国の薬事行政の怠慢は、司法の場だけでなく、厚生省が感染者リストを長い間放置していた事からも明確ではないか。山西副団長は記者会見で「高裁は全員一律救済の理念に沿う案を勇気を持って出してほしい{12月22日つけ朝日新聞朝刊} 国の修正案は患者に投与された時期を基準にして基準内の原告らにはある一定の金額を定めそれによって和解金を支払うということで計30億円を用意するという。患者達の希望は単に金額の問題ではなく国の原告に対する誠意の問題ではないか。したがって首相がここで自分の原告にたいしてその理念をよく理解して真摯に対応できないものか。どうも福田政権の姿、また首相の顔を明瞭に見えなくなってきていると感じるのは私だけではないと思う。