欧州連合と日本のあり方

欧州連合(EU)のこのところの発展は素晴らしいものがある。経済も好調である。日本のGDPは世界経済に占める比率は06年に1割を切ったが、EU各国のGDP合計は米国を抜いて、世界の3割を占めている。{1月6日付朝日新聞社説}このように欧州連合(EU)は着々と足場をかため其の連合体を不動のものにしつつある。

また環境問題にしてもEUは12月にインドネシア・バリで開かれた気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)では日本のあいまいな態度が厳しい批判を受けた。日本では経済界による二酸化炭素(CO2)の削減のための協力姿勢が今ひとつ弱い。例えば御手洗富士夫日本経団連会長の京都議定書による国別の総量削減のような不合理な規制が設定されれば「国際競争力の弱体化は避けられない」と鴨下環境相らと首相がバリでかけるまえに会談している。

しかしこのような日本の態度がバリで現れ日本は世界から抵抗勢力だと思われている。それで町村官房長官ほか政府の高官は「数値目標を掲げる」ことを提案していたが甘利経済相は賛否を明らかにせず部屋を後にしたらしい。このような日本のあまりはっきりとしない態度で来るべき洞爺湖サミットをどのように切り回すのか福田首相の難しいところである。前首相安倍氏は「美しい星」が発表されたのは、ハイリゲンダム・サミット2週間前の5月24日、温室効果ガスの排出量「世界全体で2050までに半減」するという長期目標が盛り込まれた。事務方が福田氏が前政権のスローガンを嫌うとみて、これを表に出さなかったが環境問題に関心のあった首相が所信表明演説で「美しい星」を引用してなんとか格好を付けた感がある。ここでサミット向けの福田提言を確立しておかねばならないのではないか。