イラク戦争は「正戦」か?

イラクフセイン政権が大量破壊兵器を所有しているとの理由で米国のブッシュ大統領が03年3月に米軍をイラクに差し向けた。以来早いもので5年が経過した。当時米国の良識派、フランス、ドイツもイラクには大量破壊兵器は存在しない。したがってこの戦争は誤りであると指摘していた。

しかしブッシュはこの言に聞く耳を持たず首都バクダッドを陥落した。そしてフセイン大統領が拘束されイラクに傀儡政権が樹立され同時に多国籍軍が発足した。日本もこれに同調し(小泉政権自衛隊サマワに派遣した。ブッシュはイラクには大量破壊兵器がある。それでこの戦いは「正しい戦争」と位置ずけイラクに戦争を仕掛けたのであるが大量破壊兵器がないのは最初からよく分かっていたのではないか。おそらくイラクには大量の石油がありそれが大きな目的だったと思う。

このように大儀のない戦いに巻き込まれたイラクの一般市民や子供が多く犠牲になりその数15万人を超えたと推計されている。また米軍側では戦死者は約4000人、3月19日のNHKクローズアップ現代で「米国の帰還兵の苦悩」を取り上げていた。それによると帰還兵の多くの人は就職も旨く行かず、またPTSD心的外傷後ストレス障害)に罹ってホームレスの生活を送っている悲惨な現状を放映していた。この戦いが「正しい」のはほんの一握りの為政者と資本家だけであると私は断ずる。この戦争に関係する大多数の庶民は奈落の底に投げ込まれたのと同様である。