小学生の英語必修科目化について

朝日新聞5月30日付朝刊の天声人語によると小学校の学習指導要綱が改められ5,6年生への授業が始まる。それで更に政府の教育再生懇談会が先日、3年生からの必修を提言した,と述べている。私は以前より小学校から{5,6年生}の英語の授業に大きな疑問を持っていた。それが教育再生懇談会が3年生からの必修と聞き驚きはなお一層大きくなった。

小学校の3年生から英語を必修にするにはそれだけの実力のある教師が指導しなければならず、教え方も中学校で英語の先生が教えているような教授の方法ではダメである。小学生にかんで含めるように上手に会話を指導し、小学生に教えるのだからやさしい文章を楽しく教える事が前提となる。このれが出来ないとむしろ英語に対するアレルギーを持つであろう。このような立派に教える先生が日本にどれだけいるかが先ず問題だ。

それに小学校から英語を必修にすると生徒たちより父兄の競争が激しくなり更に英語の塾に通わねばならなくなることは火を見るより明らかである。今までの「ゆとり」から一転「地獄」に突き落とされた形になる。これは小学生の英語必修の技術的な問題である。

私は小学校から英語など教える必要性を全く感じないというより絶対反対である。最近自国の言葉,漢字すら書けない中学生、高校生が数多くみられる。小学校時代には国語力を徹底的に教えなくては立派な中,高生になれない。また大学生にも、社会人にもなれない。国語をおろそかにすべきでない。数学、物理、化学などを理解するのには国語力が充分であれば自然科学を避けることも少なくなるだろう。今大学で自然科学が出来なくて困っているケースが多くみられる。国語力が全てに優先すると私は理解している。

私事で申し訳ありませんが自分が旧制中学の1年生だった時英語は[鬼畜米英]の言語だから教えられなかった。しかし2年の時には戦後で英語の授業が始まった。英語の授業を正式に真面目にやりだしたのは学制改革もあり中学3年生あたりだったと記憶している。それでも英語は好きになり英語で苦労した事はなかった。英語は中学校から始めそれまで小学校時代は国語をよく勉強する事が大切である事を心より強調します。