トヨタ自動車

トヨタ自動車は来年3月期の連結決算で約1500億円の赤字の見通しだ。それで素早く安全弁の非正規の社員全員を冷酷にも正月前の寒空に放り出した。つまり非正社員全員を首にしたわけである。

昨夜のTVニュースで会社を放り出された元非正社員が遠く北海道からの出稼ぎ人でその今の生活を撮っていた。放り出されたらアルバイトも住み込みの労働もなく、北海道に帰る金も無い。やむをえず夜はホームレス、昼は図書館とかマンガ喫茶インターネットカフェで眠る。

会社が好況だった時には彼らは正社員と同等の仕事をこなしていた。それで約一年前のトヨタ前期の営業損益はなんと2兆数千億円。これらの多くを首を切られた非正社員に負っていたわけである。それが一度不景気風が襲いかかるとなんのためらいもなく一辺の紙切れで会社を辞めさせる。安全装置として会社の絶好の消耗品だ。

トヨタ自動車は米国のビッグ3の持つような構造的問題が内在しているわけではない。ビッグ3の人件費はトヨタの倍以上である。それに日本の特に一流企業の持つ安全弁をそれほど多く持っていない。現在のグローバルな大不況は米国のサブプライム問題から発したものだ。

次期大統領のオバマ氏がどの程度やれるか。米国の不況が収まれば世界の不況もある程度収まる可能性がある。いずれにしても資本主義経済というものは魑魅魍魎で氷のように冷たく人を人とは思はない。利潤の追求がその全てである。トヨタさん現在来年の決算は赤字と恐れていらっしゃるが2兆数千億の1年前の黒字はどうなったのでしょう。設備投資、株安、円高などで目減りしたことは理解できます。しかしただちに安全弁を作動し人間を機械の消耗品以下の扱いはよくありません。

資本主義経済のあり方としてこのハリケーンのようなものをやり過ごせばまた太陽がぽかぱかとさし始めるでしょう。会社が少々の犠牲を払っても人が全てを支えている事をお忘れなく。