気の毒な「派遣労働者」

昨年は米国のサブプライム問題から端を発した不況風が世界を席巻した、晩秋には我国の産業も深刻な状況におちいり年末には多くの企業は最も整理しやすい派遣労働者の首を有無を言わせず刎ね沢山の労働者が行き場を失った。

解雇された派遣労働者には一文の一時金も支払われず、また失業保険などが懸けられている訳もなく明日から食べること、眠るところも無い難民のような生活を強いられるようになった。昔の地主と小作人以下の派遣労働者の生活状態である。

企業の多くは表面的には決算は赤字である。しかし多くの派遣労働者を安全弁として使用していた大企業は景気のいいときには彼らをこき使い膨大な利益を内部留保している。派遣労働者を解雇するにあったってはそれなりの手続きをするべきであったと同時に出来たはずである。

何度も書くが小泉の政権時代に規制緩和をどんどん進め日本経済をかくのごとき酷い状態におとしめる結果を招来せしめた。奴は本当に悪魔以下の獣のような存在だ。いまや正月に行くところも、眠るところも無い派遣労働者は東京で300人余り、テントから多くの人がはみ出し「派遣村」は満杯となり厚労省の講堂で5日まで生活が出来ることになった。食事は市民の好意の炊き出しに依存している。

このような状態を作り出したのは行政にあるかも知れないが大企業も矛盾するかもしれないが罪滅ぼしのために彼らが積極的に手を差し伸べてもいいのではないか。企業よ金儲けつまり利潤の追求のみを考えているようでは日本の将来はあやういことを熟知してほしい。