子供の頃のクリスマス


12月25日クリスマスである。私の尋常小学校1年政のときのクリスマスのお話をします。私の住まいの近くにC寮という学生達の住まいがあった。この寮の中にかなり広い部屋があり日曜日毎に将来神父になる学生が子供達にキリストについてのことだが主だったがお話の場をもたれた。これを私達は日曜学校と読んでいた。私はキリストの話が特に好きではなかったのだが子供達が集まるのでそれが楽しみでで時々主席していた。

この日曜学校の集いがたまたま12月24に重なった。それでこの日は日曜学校の場を近くのプロテスタントの教会に移し、ここでいつもの日曜学校の倍くらいの話が長々続けられた。私は今日はクリスマスではある、特別に場所を教会に移されたのでこの話が終わればなにかいいことがある。長い面白くもない話が早く終わってお菓子でも頂きたい、何かいい贈り物を頂きたいと心待ちにしていた。ところが長い話を我慢して聞き終わってもどうもそのような雰囲気ではない。

私のように日曜学校に余り真面目に出席しないものにはクリスマスの贈り物として薄いキリストに関する冊子でがっかりしたことを記憶している。戦前はクリスマスといっても現在のように華やかなものではなくクリスマスケーキなどはなく、クリスマスの贈り物といっても我々庶民にはそのような習慣はあまり見られなかった。他人から子供さんにと母にサンタクローズの印刷が包装紙の端についた贈り物を頂いたことを鮮明に覚えている。この時代はケーキなどは高嶺の花、勿論高価なクリスマスの贈り物はほとんどなかった。我々は庶民で、そのようなクラスではなかったので実情はしらない。日本人は外国のそれも欧米の垢抜けた、また業者は金になる制度を日本ナイズするのが実にうまい、